リタイア後に生活する場所
現在は東京23区内の住人ですが、社会人になるまでは地方育ちでした。
その後はセミリタイアするまで、勤務地は東京と地方が半々くらい。
つい最近まで、東京と地方に自宅がある「2拠点生活」という経験もしました。
そんな経験が参考になるのかどうかわかりませんが、一つだけ言えること。
それは、もし「リタイア後の田舎暮らし」に憧れるのであれば、直面するであろう現実を考えてみることも意味があるのでは、ということです。
田舎暮らしのリアル
マイカーが不可欠
地方では、たとえ県庁所在地であっても、鉄道やバスに多くは期待できません。
バス路線によっては朝と夕方に数回だけ、という地域もザラですから。
公共交通機関が発達しているのは、政令指定都市ぐらい。
おかげで、マイカーが生活必需品になります。
しかも、夫婦で別々に活動する機会が多いのであれば、1人1台!
この生活スタイルは、リタイア後、高齢になってからがちょっと心配。
80代の方でもみんな運転してますけど、正直、大丈夫かなーと思って見てました。
かと言って、車なしの生活というのも、地方では絶対に考えられないのも確か。
セミリタイアの場合の仕事はどうか
ネットで求人を検索すればそれなりにヒットする、というのは都会の話。
そういう意味では、田舎暮らしでセミリタイアというのはハードルが高いかもしれません。
求人の絶対数が少ないので、職種も限られてきます。
投資家、トレーダーというのも選択肢の一つかもしれません…
あるいは、農漁業などにトライするという手も。
いずれにしても、スキルさえあれば、案外、どうにかなるのでしょうね。
人間関係の密度が違う
田舎暮らしでは、ご近所づき合いも濃密です。
自治会の催し事もしょっちゅう。
地域によっては「役」とか「苦役」と呼んでいるボランティア作業が年に数回あります。
草刈りとか、河川掃除など。
ハードなボランティアとしては、消防団への参加を求められる可能性だってあります。
50代でも「最年少」、「若手」として頼りにされるのが田舎暮らしです!
生活インフラが遠い
買い物は、マイカーで出かけることが大前提。
コンビニも、幹線道路沿いが多く、自宅から徒歩圏内なんてことはまずありません。
もし高齢になって、運転免許を返納でもしたら、買い物にも行けない事態になります。
役所とか病院などの生活インフラも同じ。
自宅から遠いし、その交通手段も事実上マイカーだけ。
若いうちは良いのですが、高齢になればなるほど、田舎暮らしのハードルが少しずつ高くなっていくような気がします。
最後に余談ですが
豊かな自然に囲まれ、ストレスもたまらないだろうなあー、と思ってしまう「田舎暮らし」。
健康にいいだろうと思っていると、意外な盲点があります。
それは都会暮らしに比べ、圧倒的に運動不足になること。
マイカーでの移動が殆どなので、日常生活で歩く機会が極端に少なくなってしまうのです。
都会暮らしって、電車やバスを利用する途中、意外と歩いてるんですよねー。
リタイア後の田舎暮らし、そのリアルを考えてみました。
私自身は、セミリタイアに際して都会暮らしを選択し、地方の自宅は売却しました。
地方の出身者としては、なんとなく寂しさもありましたが、最後は田舎暮らしのリアルにためらいを感じたというのが正直なところです。