高齢ドライバー問題はいつか他人事でなくなる
高齢ドライバー問題が連日ニュースになる世の中
このところ毎日のように、高齢ドライバーが引き起こす交通事故のニュースが流れます。
2019年4月に東京・池袋で起きた、87歳の元工業技術院長が運転する車が暴走して3歳の女の子とそのお母さんの命を奪うという痛ましい事故は、いろいろな意味で社会に疑問を投げかけました。
認知症、判断力の低下、運動神経の衰えなど、高齢ドライバーが抱えるリスクを心配しはじめたらキリがありません…。
50代の私たちにとって、この問題は2つの意味で他人事ではないと思っています。
1つは、私たちがある日突然、高齢ドライバーの被害者になってしまうかもしれないこと。
そしてもう1つは、遠くない将来、私たち自身が高齢ドライバーになるであろうこと。
統計でも高齢ドライバーによる死亡事故の割合が上昇
私たちが子どもだった頃はちょうど高度成長期の真っ只中でした。
世の中では「交通戦争」と呼ばれていたぐらい、車の事故が多い時代でもありました。
その頃に比べ、交通事故の犠牲者は、最近はずいぶん少なくなりましたね。
2018年の交通事故の犠牲者数は3532人と、統計が残っている1948年以降では、最低記録を更新しています。
最も多かった1970年(1万6765人)に比べると何と8割も少なくなっているのです!
こうした背景には、交通安全への啓蒙が進み、シートベルトの使用率が上がったことや、自動車の機能が向上したこと、取締りの成果が上がったこと、など関係者の長年にわたる努力が実を結んだのだと思います。
これほど交通事故防止策が進む中で、唯一気がかりなのは、75歳以上の運転者による死亡事故です。
2018年の1年間で、460件。
死亡事故全体に占める割合は14.8%で、ここ10年間、この割合は上昇傾向を続けているそうです。
どうりで高齢の運転者による死亡事故のニュースが目立つはずですね。
運転をやめようとしない高齢ドライバー
内閣府が60歳以上を対象にした調査によると、外出時に車を運転する人の割合は次のようになっているそうです。
- 60〜64歳:78.8%
- 65〜69歳:68.6%
- 70〜74歳:63.3%
- 75〜79歳:45.7%
- 80歳以上 : 26.4%
なんと80歳以上の4人に1人が外出時に車を運転している!
(池袋の事故を起こした元工業技術院長もこのうちの1人になるわけですが…)
しかも、80歳以上で運転している人の58.7%は「ほとんど毎日運転」しているそうです。
事故発生のリスクが高くなるはずですね。
怖いのは、「年齢や身体的な支障の有無にかかわらず運転を続ける」と答えた高齢ドライバーが11.5%もいるということ!
いくら「生活の足」とはいえ、これで事故でも起こされたら…とつい心配になってしまいます。
いつか自分自身も判断を迫られる問題に
私も、リタイアしてからは、日常生活の中で、車を運転する時間が増えました。
まだ50代なので、運転そのものに不自由を感じる歳でもありませんが、最近、自分の身をまもるためにドライブレコーダーも車に装着しました。
ドライバーにとって、いつかは免許証の「自主返納」をしなければいけない時がやってくるはず。
「自主返納」である限り、そのタイミングは自分自身で判断をしなくちゃいけません。
私も、その時は家族の声を素直に聞いて、客観的に判断できればいいなあ、と思っております。
高齢ドライバー問題については、究極的な解決法は「自動運転」でしょうねー。
実用化が図られるまで、少しでも事故が減ることをただ祈るばかりです。
読んでくださって、ありがとうございました。
ともに経済的自由を手に入れられますように。