「定年前に転職したい」かどうかを今さら聞く時代でもない
若手社員に関する厚生労働省の実態調査
厚生労働省が、15〜34歳の若手社員を対象にした実態調査の結果を公表しました。
正式名称は「若年者雇用実態調査」で、調査時点は2018年10月1日。
マスコミでは、「定年前に転職したい」と考えている若手社員の割合が27.6%だったことに焦点を当てて、報道しているようです。
ざっくりと言えば、3人に1人が転職を考えているということになります。
すでに転職体験をしている若者たち
この調査結果をみていると、こういう調査項目もあります。
「卒業後初めて勤務した会社で現在も働いているか」
この質問に、「勤務していない」と答えた人の割合は、正社員34.5%、正社員以外76.5%、全体平均で47.4%。
要するに、これだけの人たちが、すでに転職を経験済みということになります。
こういう数字をみたら、マスコミが焦点を当てた「定年前に転職したい」という質問にどれだけの意味があるのだろう、と考えてしまいます。
だって、若手全体の半数が、すでに卒業後初めて勤務した会社にはいないのに「定年までに転職したいと考えている人が3割もいるんですよ」と言われても、「それで?」というのが正直なところですよねえ…。
質問自体が時代から取り残されていないか
人手不足の世の中、若年転職市場も急速に拡大しています。
そんな世の中になっているにもかかわらず、「定年まで勤め続ける」ということに、どれだけ普遍性があるのか、正直、疑問を感じてしまいます。
年金受給年齢が55歳から、60歳、65歳と段階的に引き上げられてきました。
平均寿命も、高度成長期の頃に比べると長寿化しています。
労働人口の減少を背景に、65歳を過ぎても働くことが奨励される世の中。
そんな中で、終身雇用制の名残りである「60歳(一部65歳)定年制」という仕組みも、今となっては殆ど形骸化しているようにも思えるのですが。
いっそのこと、ピンポイントの「定年」などという固定観念をどこかで一度払拭してみてはいかがでしょう。
40代や50代でセミリタイアする働き方があってもいいし、70歳まで働き続けたいという人がいてもいいし…そういう意味では、世の中の動きの方が先を行ってますから。
少なくとも、「定年前に転職したい」かどうかを質問していること自体、もう古い感覚だと思った方がいいですよ。
読んでくださって、ありがとうございました。
ともに経済的自由を手に入れられますように。