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【読書】FIREへのロードマップ、グラント・サバティエ著「FIRE 最速で経済的 自立を実現する方法」

“Financial  Freedom”

このブログでも何度か取り上げているFIRE。

Financial Independence(経済的自立)

Retire Early(早期リタイア)

この4つの単語の頭文字をとっているのは、既にご存知のとおりです。

もともと米国のミレニアル世代を中心に、流行しているライフスタイル。

最近は、日本でもこのキーワードをよく見かけるようになりました。

某有名ブロガーさんが実践して、ネットでも話題になっていますよね。

このFIREに関心がある方にとって、タイムリーな本が2019年末に発売されました。

グラント・サバティエ著「FIRE  最速で経済的自立を実現する方法」(朝日新聞出版)

原題 “FINANCIAL FREEDOM: A Proven Path to All the Money You Will Ever Need”

500ページと読み応えのある本ですが、FIREのすべてが詰まっている、そんな本です。

著者について

著者のグラント・サバティエは、シカゴ大学卒、ニューヨーク在住。

読者数が1000万人を超える“MillennialMoney.com”の創設者だそうです。

2010年、25歳だったサバティエの銀行口座にあったのは僅か2.26ドル。

5年後、彼の純資産はなんと125万ドルを超え、30歳で経済的自立を達成(1ドル=109円で換算して1億3,600万円余り)。

たった5年ですから、凄いですよね。

米国のニュース専門放送局CNBCでは「ザ・ミレニアル・ミリオネア」と呼ばれたとか。

彼が創設したウェブサイト“MillennialMoney.com”を実際に覗いてみると、米国のFIREたちの雰囲気がよく伝わってきますよ。

この本の全体的なイメージ

本書の計画は次の7つのステップに分かれており、各ステップに沿った章立てになっています。

  1. 自分の目標とする数字を把握せよ
  2. いま持っている金額を計算せよ
  3. お金に対する考え方を根本的に改めよ
  4. 予算を立てず、あなたの貯蓄に最も大きな影響を与えるものだけに集中せよ
  5. 9時5時の仕事をハック[工夫、効率化]せよ
  6. 儲かる副業を始め、収入源を複数持とう
  7. できるだけ多くのお金をできるだけ早く、できるだけ頻繁に投資せよ
<引用元>「FIRE」p.26〜29から抜粋

こうした流れを念頭において、全14章のうち関心のある章だけピックアップして読むことも十分可能です。

また、各章の最後に付けられている「まとめ」が充実しており、そこにエッセンスが詰まっていますので、章によっては取り敢えず「まとめ」だけ読むのもアリかもしれません。

いずれにしても、この本自体が手引書というか、マニュアル的なので、とても自由かつ気楽に読めますよ。

特に印象に残ったこと

この本のエッセンスと思われるのは、「好きなことを犠牲にせずに、可能なかぎり収入と貯蓄を引き上げること」。

そのうえで、読んで特に印象に残ったのは、以下の2点でした。

稼ぐことの大切さ

まず1点目は、明らかに節約よりも稼ぐことを重要視していること。

収入を増やすことと支出を減らすこと、これらふたつは車の両輪だが、経済的自由にいち早くたどり着くためには、収入を増やす方が支出を切り詰めるよりも影響力が大きい。

<引用元>「FIRE」P.163

世の中のセミリタイア・ブログを見ていると、節約だけでセミリタイアにたどり着けるかのごとく、書いておられるブログを時々見かけます。

でもそれは、単に窮乏生活を自らに課しているようなもの。

好きなことを犠牲にしてまで、節約だけで生き延びたとしても、それで幸せだとは言えないような気がします。

やっぱり、経済的自由を手に入れるためには、できるだけ稼いでナンボだと思うのですよ。

貯蓄率が高ければ高いほど、より早くリタイアできる

2点目は、貯蓄率を少しでも引き上げることを強調していること。

もし貯蓄率を早く引き上げたいのであれば、最も効果的な戦略は30〜90日ごと1%引き上げることだ。1%であれば日々の生活の中でその変化を感じることがない一方、経済的自立に到達するまでの期間に与える影響は十分に大きい。

<引用元>「FIRE」P.193

著者は、年収の25%以上を貯蓄する人をスーパー・セイバー(super saver)と呼んでいます。

しかし、25%で十分だとも言っていません。

できるだけ多くのお金を、できるだけ早く投資するための、有効な戦略。

それが、この貯蓄率を1%ずつ引き上げるというものですが、著者は「可能ならできる限り引き上げるべきだ」とも付言しています。

この方法は、読んで「なるほど!」という感じ。

誰もがすぐ実践できる方法ではないでしょうか。

むすび

著者は、貯蓄したお金をできるだけ早く投資するようにと言っていますが、投資の核はやはりインデックスファンド

なんだか金融庁が喜びそうな内容ですが…。

こうした方法がいかに標準的なのか、よくわかりますね。

この本を読み終えて思ったのは、「若いうちにこんな本に出会いたかった」!

50代のセミリタイヤ世代となっては、ただただ「凄いなあ」と感心するばかりで、FIREを実践してみようと思える若い世代が羨ましい限りです。

65歳のときよりも30歳のときの方が、少ない貯蓄額でリタイアできるという主張は、なかなか衝撃的ですよ。

また、「老後2,000万円問題」をいたずらに不安がるよりも、この本の著者がエンタープライズ・マインドと呼んでいる前向きな姿勢は、私たちも見習いたいものです。

エンタープライズ・マインド:稼ぎを増やすためにはあらゆる機会を利用し、できるだけ多くの手段を使ってー支出を切り詰める、手数料・価格を最適化する、税金をできるだけ抑える、複数の収入源を確立する、そのほか目に付くあらゆる方法ー富を築こう。自分の時間の1分、1時間当たりの収入をできるだけ増やすことに重点を置こう。

<引用元>「FIRE」P.199

読んでくださって、ありがとうございました。
ともに経済的自由を手に入れられますように!

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