60代、ささやかな投資生活を楽しむ

いつから人生は100年になったんだろう?

2040年推計の話

少し前に新聞で「75歳以上の世帯が1/4」という2040年推計の記事を見たことがあります。

「その頃には、我が家もこの4分の1に入ってるなー」と思わずため息が出ました。

国立社会保障・人口問題研究所が、国勢調査の結果を基に算出した将来推計だそうです。しかも、一人暮らしは全世帯の約4割。

この結果を受けて、新聞曰く「『人生100年時代』を見据えた働き方や社会保障制度の見直しが急務だ」そうです。

「人生100年時代」か…リタイアしてからも時間だけはたっぷりありそうです。

「人生100年時代」という言葉が独り歩きしていない?

最近は、NISAの活用を推奨する金融庁だけでなく、官公庁や銀行・証券・保険などの各業界まで、「人生100年時代」という謳い文句が当たり前のように使われています。

でも、確か、日本人の平均寿命(2017年)は、女性87.26歳、男性81.09歳だったはず?

もちろん平均である以上、長寿の場合、100歳を超えて生きる人が増えているのは間違いないでしょうし、平均余命で見るとどうかということもあるでしょう。

引っかかるのは、平均寿命が急に伸びたわけでもないのに、ある時期から「人生100年時代」という耳障りのよい言葉がやたら使われはじめたように感じるのです。

ある種の世論操作というか、雰囲気づくりが行われたような気がしてなりません。

「人生100年時代」というポジティブな言葉のおかげで、気づかないうちに社会でも「自助努力も大切」という空気が醸成されてませんか。

人生100年と誰が言い出したんだろう?

実際、この「人生100年時代」というコピー、真偽のほどはわかりませんが、官邸の経産官僚が考え出したアイデアだ、という噂を小耳に挟んだことがあります。

仮に噂が本当なら、「人生100年時代」を睨んで、国民がiDeCoやNISAでせっせと「自分年金づくり」に励むように環境づくりをし、頃合いをみて年金等の社会保険料や税金を引き上げる肚なのかな、と思ってしまうのは勘ぐり過ぎでしょうか。

釈然としないのは、超高齢化社会の到来は、人口ピラミッドから考えると、少なくとも30年以上前から政府はわかっていたはず。

今さら「人生100年時代が到来したのだから、年金支給は繰下げて、70歳ぐらいまで働きましょう」と言われても、国は今まで何をやっていたのか、と嫌味の一つも言いたくもなります。

むすび

「自分年金づくり」くらいはしなきゃね、と自助努力に励む我が家。

こうして、知らず知らずのうちに「人生100年時代」の流れに呑み込まれていくのでしょうなあ。

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